Disroot.org - レビュー
freedom@disroot.orgNextcloudをプラットフォームにするストレージやチャット、フォーラムなど多数のコンテンツの1つとして Email は組み込まれ、Vivaldi のようなコミュニケーションツールとして展開しています。
運営理念は、サイトに大きく記載されていることからもわかるように、個人情報の保護に最も重点が置かれ、時好に投ずる物になっています。
Email もそれを踏まえ自由とプライバシー保護に根ざし、「ユーザーをトラッキングしない」「統計データとしても利用しない」「広告を付けない」という、今までネット上で平然とされてきたプライバシーの侵害に強く反発するものです。
メールの機能は少なめですが必要充分。日本語表示に対応。IMAP、POP3、SMTP 対応。OpenPGP の暗号メッセージングにも対応。 CardDAV による連絡先やカレンダーの同期もでき、あまり必要でないものは省いても重要な機能はしっかりと押さえてあります。また、メールの他にも目移りするぐらい多くのツールを備えています。
強いて挙げれば、サイトにやたらサイズの大きい画像が使われていて表示が遅く、メールにログインするまでやコンテンツ間の移動にちょっと時間が掛かります。これについては、メールクライアントから利用することもできますし、とてもフレンドリーな運営なので、フォーラムで要望すれば対応してくれるかもしれません。
自由で開放的だからこそ、こちらもマナーを守って使いたくなります。
機能詳細
基本機能 | IMAP、POP3、SMTP、XMPP📩クライアントの設定方法 |
拡張機能 | 自動振分、自動転送、自動返信、迷惑メールフィルタ、署名、メール検索、メッセージと連絡先のインポート・エクスポート、テーマの変更、エイリアス、キーボード ショートカット。 |
追加の機能 | アドレス帳 (CardDAV)、カレンダー、チャット (XMPP)、無料ストレージ。 |
容量制限 | 保存容量 1 GB と Cloud の 2 GB。添付ファイルは 50 MB まで。 |
アカウント期限 | なし |
セキュリティ | HTTPS、OpenPGP、外部画像ブロック、セッションタイムアウト、アンチウィルス、2要素認証。 |
ドメイン |
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開設日 | 2015年 (About Disroot) |
スマホアプリ | |
関連リンク | Disroot ヘルプ (Howto Disroot) |
機能補足
ウェブメールの初期言語は英語。
設定 (左ペイン下の歯車) → General → language から日本語表示にできます。変更は自動保存されます。
メールのエクスポートは 1通づつEml形式でダウンロードできます。複数は指定できない。
メール検索は日本語もマッチします。ごみ箱のメールは検索対象外です。
自動転送と自動返信はフィルターから設定します。条件を付けなければすべてのメールが対象になります。転送後もメールを残すには保持をチェックします。
保持 | 複数 | 条件 | 承諾 |
可能 | 不可 | 可能 | 不要 |
複数の転送フィルターを設定しても、最初のフィルターにマッチした時点で判定が終了するため複数に転送することはできません。
迷惑メール対策として、フィルターに、破棄の他に拒否という面白い機能があり、拒否メッセージを自動的に返信できます。
フィルターは設定項目を少なく押さえながらも多くのアクションが可能になっており、良くできています。
設定の表示名を追加から他のメールアドレスを追加しても送信エラーになるため代理送信は不可です。送信名の変更とエイリアスの送信のみに利用できますが、拡張アドレスも匿名で送信可能なので利便性の高い機能です。
コミュニティツールのため、行動の一部が Disroot 全体に配信されます。無効にするには、右上のアイコンから、個人。アクティビティのストリーム上にあなたの操作を表示するのチェックを外します。
Disroot の有料プランは存在しません。Donate より寄付ができます。
2018年以前のアカウントは、保存容量 2GB。Cloud 4GB です。2019年から新規は半分になりました。
Tor
Disroot に onion services が追加されました。より秘匿性の高い運用が可能です。
新規取得はクリアネットからのみです。
アカウントの取得方法
Disroot の新規ユーザ登録は、アカウント乱獲防止の措置がされ、少し面倒になりました。
自動登録ではなく承認制です。登録フォーム送信後、アカウント取得が承認されるまで最大48時間掛かります。
登録に Email アドレスが必要です。ただし、登録のみに使われるため匿名性は依然として有効です。
Verification Story に、なにか文章を記入する必要があります。なにかというのは、2018年10月26日に新しい登録方法になってから、求められる文章が不定期に変更されています。
初めは、Disroot を選んだ理由 (プライバシーやセキュリティ関連以外)、次は、elephant, sponge, hat の単語を使って物語を記述しなさいという具合です。
おそらく内容は重要ではないと思われますが、文字数制限に従って英文で書きます。
最も面倒なところですが、ここさえ乗り切れば完全に個人情報なしで利用できる特典が待っています。
ウィークエンドの土日は停止しています。
Disroot アカウントを取得Disroot Webmail を使う上での注意点
Disroot Cloud (Nextclod) からログインしてメールへ移動するのと Disroot Webmail (RainLoop) へ直接ログインするのとでは、同じ画面のように見えますが表示されるメニューや設定項目が異なります。
Disroot Cloud が主で Disroot Webmail を含んでいますが、上位にあるわけでなく一部の設定は別々に保存されています。そのため別の場所からログインすると設定したはずの項目が消えていることがあります。また Disroot Cloud から Disroot Webmail へは移動できますが逆はできません。
Disroot アカウントの設定は Nextclod からしかできないので、こちらをメインに使用したいところですが、Disroot Cloud は非常に重いので、ひととおり設定した後は、RainLoop Webmail からのログインがおすすめです。
アドレス帳も別々に保存されていますが、CardDAV のリモート同期をとおして同期できます。
- Disroot Cloud (Nextclod)へログインします。
- 連絡先の左ペイン下の設定をクリック。…からリンクをコピーします。
- Disroot Webmail (RainLoop) へログインします。
- RainLoop 設定の連絡先を選択します。
- アドレス帳 URLへ先ほどの URL を貼り付け、ログインユーザーとパスワードを入力すると自動保存され、リモート同期を有効化にチェックマークが付きます。
- RainLoop 連絡先のメニューから、同期 (CardDAV)で同期されます。
広告とIPアドレス
WEB画面 | WEB送信 | SMTP送信 |
付かない | 付かない | 付かない |
WEB送信 | SMTP送信 |
付かない | 付かない |
ウェブメールのUser AgentはX-Mailer: RainLoop/1.11.1
SSL Server Test
エイリアス
+記号を使った拡張アドレスで受信できます。
.記号は不可。
@disr.itと@disroot.orgは同じ受信箱へ配達されます。
info+example@disroot.org = info@disroot.org
in.fo@disroot.org ≠ info@disroot.org
username@disr.it = username@disroot.org
エイリアスはウェブメールから送信もできます。
RainLoop Webmail の設定を開きます。
表示名 の 表示名を追加
@disr.it のドメインエイリアスか、+記号の拡張アドレスを指定します。
追加ボタンから保存します。
送信画面からエイリアスアドレスを選択できます。
エイリアス以外のアドレスを指定しても、送信時にエラーになります。
この機能も匿名性が高く、ログインメールアドレスや IPアドレスをヘッダに追加しません。
Disroot と RainLoop Webmail を紐付ける
このセクションの手順は現在不要です。(記: 2018年2月23日)
以前の情報
初期状態では、どこからログインしても RainLoop Webmail へは再度ログインが必要です。
Disroot へ RainLoop を登録しておくと、1回の操作で完了します。
グローバルメニューのユーザーアイコンから 個人
左ペインから RainLoop Webmail を選択。
ログイン情報を入力して Save します。
Disroot's Dashboard のアプリ一覧や E-MAIL から直接ログインできます。
Nextcloud と ownCloud
アカウントのキャンセル
アカウントの削除は Disroot のユーザーページへログインしてアカウントの削除より可能です。
Disroot アカウントは、スパム的な利用がない限り自動で削除されることはありません。