Yahoo! Mail - レビュー
Yahoo@yahoo.com世界のYahoo!。IMAP ,POP ,SMTP、容量は 1 TB、世界中に展開するサービスのためセキュリティには特に気をつかっていて様々な機能や対策がされており、スパムメール対策においては先駆者でもあります。
しかし、昨今様々な変更が加えられ、登録に携帯番号の入力が必要になり、インターフェイスや設定は使いにくくなり、何よりアカウントが無効になる可能性が高まり安心して利用できなくなりました。
何度も大規模な情報流出の失態を演じていますが、大きなニュースになった割に、当の Yahoo!Mail ユーザーはさもありなん程度の認識。余裕の想定の範囲内でそもそも重要な情報は預けていないでしょう。
ただし、特徴的な機能の、500アドレスまで登録できるDisposable Addressesは素晴らしい。エイリアスとして利用価値が高く様々な局面で活躍します。これだけのために使うと言っても過言ではありません。
総合的には、良いところが +150点だとすると、良くない点が -200点といった塩梅で、強力な機能は使えるけれど通常使用にはあまり向かず、ツールとして 1つは欲しいですが、日常的に利用するものではないでしょう。
アイコンの HP のリンクはログイン画面しか表示されませんが、公式の概要ページも用意されています。
良い点
- 日本語表示に対応。
- 容量が1 TBもある。
- Disposable Addresses の利便性が非常に高く、登録用のアドレスとして完璧。
悪い点
- 日本語のヘルプがない。英語のヘルプも内容が薄い。
- Webメールの動作が重い。また未対応のブラウザではメールを閲覧する事すらできない。
- 様々なセキュリティやスパム対策の機能により、ヘッダのサイズが非常に大きい。
- 代理送信の類いは、SPF (なりすまし拒否)が厳しく、受信できない確率が高い。
- 内部処理に時間が掛かるためか転送速度が水準よりかなり遅い。
- 追加の連絡先情報を入力しない限り、代替のメールアドレスを削除できないというセキュリティ上の欠陥がある。
- 過去に 30億件ものパスワードを流出させたとされており、海外の評判はすごぶる悪い。
- 簡単に利用されないよう、様々なトラップが仕掛けられている。
- Outlook 程ではないが、名指しで使用禁止になっているところもある。
機能詳細
基本機能 | IMAP、POP3、SMTP📩クライアントの設定方法 |
拡張機能 | 代理送信、他POP3受信、自動振分、自動返信、迷惑メールフィルタ、署名、受信拒否、メール検索、キーボードショートカット、連絡先のインポート、SMS、テーマの変更、エイリアス、モバイル版。 |
追加の機能 | アドレス帳、メッセンジャー、カレンダーなど多数。 |
容量制限 | 保存容量は 1 TB。送受信は 1 通あたり最大 25 MB。一日の送受信量は制限があるが非公開。 |
アカウント期限 | |
セキュリティ | HTTPS接続、外部コンテンツブロック、2段階認証、アクセスログ、ウィルススキャン、危険なファイル形式をブロック、DKIM、SPF、DMARC。 |
スマホアプリ | |
その他 | OpenID。多くのエンコード形式に対応している。 |
ドメイン | @yahoo.com。(@yahoo.co.uk、@y7mail.com などの @yahoo.com 以外のドメインは取得できなくなりました) |
関連リンク | Yahoo Mail Blog は、Tumblr の売却に伴い Verizon Media へ移動しました。前の情報は Tumblr で閲覧できます。 New York Times にAltaba Inc.のカテゴリがあり、最新ニュースを閲覧可能。 Oath - Build brands people love Yahoo はAol同様に Verizon Communications の Oath の一員になりました。Oath はその後 Verizon Media へ改称。 さらに、2021年には Apollo Global Management へ売却され、運営社名は Yahoo 、日本ではブランド名が Boundless になりました。 |
機能補足
サポートするブラウザ以外は必ずモバイルバージョンになります。派生のブラウザ(Pale Moon や Iron)も不可。メジャーブラウザと UA が完全一致しなければなりません。さらにデスクトップ画面への移動もできません。
迷惑メールフィルタは無効にできません。SpamGuardは機械学習されます。
リスト最上段のすべて選択のチェックボックスは、1 ページに表示する最大数まで選択されます。スクロールしないと見えない部分も選択されるので注意が必要。また、明確に選択を外さないとチェックされたままになることもあります。
送受信とも添付ファイルは、ノートンアンチウイルスでスキャンされます
自動返信は期間内の全ての送信者が対象。ドメインごとに返信メッセージを設定できます。期間は最大 5 年。
受信拒否はアドレス指定とドメイン指定。送信者には未達のメッセージは送信されず、ごみ箱へも配達されません。
無料版 Yahoo Mail の自動転送は、2021年1月15日に廃止
Yahoo Mail は綺麗でしっかり作られているように見えますが、細かなバグや理不尽な仕様がとても多い。
プレーン テキストで送信する
テキスト メールで送信する方法は非常に分かりにくくなっています。
新規作成の一番下 … (その他のオプション)
プレーンテキストモードに切り替え
以降はプレーンテキストがデフォルトになります。
設定には項目がなく、この方法でしか変更できません。
エイリアスと代理送信
Disposable Address は500アドレスから3アドレスまでに縮小されました。
Yahoo! JAPAN のセーフティアドレスは10アドレスまでなので使い捨てアドレスとしては Yahoo! JAPAN のが上になりました。
ログインアドレスと全く同じ権限を持つExtra addressを 1つ作成して所有可能。
Extra address でもログイン可能。Disposable Address ではログインできない。
拡張アドレスのエイリアスは、+.共に利用不可。
代理送信は POP3 代理受信の設定から送信のみを選択する。POP3 代理受信を設定したアドレスは自動的に連絡用のメールアドレスに登録される。
代理送信は Ymail のサーバーからのみ。他 SMTP は使わないので送信者偽装に近く、認証後どんなメールでも送信可能。
広告とIPアドレス
広告
ウェブメールの広告はワンクリックで非表示にできますが、画面が切り替わると再表示されるので、あまり使う意味がありません。
メール画面 | WEB送信 | SMTP送信 |
付く | 付かない | 付かない |
有料プランは、広告の付かないYahoo Mail Proが用意されています。
送信される個人情報
WEB送信 | SMTP送信 |
付かない | 付かない |
その他に、OS とブラウザの情報が送信されます。
WEB送信
X-Mailer: WebService/1.1.20407 YMailNorrin
SMTP送信 (クライアントによる)
User-Agent: Mozilla/5.0 (Windows NT 10.0; Win64; x64; rv:102.0) Gecko/20100101 Thunderbird/102.0.1
IPアドレスについては、今までに何度か仕様変更されています。実際の利用には事前に確認してください。
(記: 2022年7月16日)
利用者に厳しい Yahoo!
登録する携帯番号やメールアドレスは、本来アカウントを守るためのものであるが、これのおかげで詰んでしまう可能性がある。
ログイン時に連絡先のメールアドレスにセキュリティコードを送付され、そのアドレスにアクセスできないと詰み。秘密の質問に答えられないと詰み。永遠にログインできない。
以前に登録した連絡先情報のないアカウントは、ログインの度にセキュリティ情報の入力を促されるが、上述のように、うかつに登録してしまうとログインできなくなる可能性が高まる。
ログイン直後にリカバリ用電話番号を追加から進めなくなった時は、直接、Yahoo! Mail へ行けば、画面をスキップできる。
Tor、VPN、Proxy からのアカウントの作成と利用はできないことはないが、基本的にロックされる仕様で、時々何らかの制限が掛かる。少なくとも Tor Friendly ではない。
サポートするブラウザも制限が厳しく、可能な限り最新版にしておく必要がある。JavaScript は必須。Internet Explorer はサポート外。
ブラウザを変えただけでも認証が必要になることがあり、広告ブロック機能とも相性がよくない。
アカウント作成時の電話番号による認証は必須です。
さらに現在は@yahoo.comのドメインしか取得できません。
SSL Server Test
A+SSL Report:mail.yahoo.com DigiCert SHA2 High Assurance Server CA |
SSL認証局のDigiCertは、ProtonMail や SAPO Mail、ストレージの Adobe や Dropbox などの大きな企業で採用されています。
運営者情報
Yahoo! は Aol と共に、アメリカの通信事業者のVerizonの Internet Media Technology 部門をになう Verizon Media (旧名Oath Inc.) によって運営されます。
Yahoo! と Aol は Verizon Media のブランドとして存在し、Verizon Media の利用規約とプライバシーポリシーが適用されます。
2021年9月1日、Verizon Media は Apollo へ売却されました。
Flickr は 2018年4月に SmugMug へ、Tumblr は 2019年8月に WordPress を開発する Automattic へ売却され Verizon Media には含まれていません。
Flickr と Tumblr は Oath に組み込まれた後に売却されたため、少し古い情報は結果的に間違った表示になっているところがあります。
サービス内容に大きな変更はありませんが Flickr の保存容量は 1 TB から 画像 1000 枚までに縮小されました。
一時期 Yahoo! が所有していた ソーシャルブックマーキングサービスの Delicious は、最終的に Pinboard に取得され、時々オフラインになるなど不安定ながらも、かろうじて運営されています。
メール機能のない Yahoo! アカウント
@sapo.pt で作成した Yahoo! アカウント
Yahoo! アカウントは、携帯番号なしでメールアドレスだけで作成できます。
他のメールアドレスで作成した Yahoo! アカウントで Mail を使おうとすると、Gmail、Outlook.com、Aol. との連携作成の画面のみ表示されます。
連携するとメール受信やアドレス帳の利用ができますが、Gmail、Outlook.com、Aol のすべて失敗します。
ポップアップが表示されたりされなかったり挙動が怪しく、Yahoo! のシステムはあまり信用できないため、この機能は使わないほうがいいでしょう。
メールアドレスで Yahoo! アカウントを作成すること自体は、他のアカウントに影響が及ぶことはないので、問題ありません。
他のクラウドサービスとの連携
Yahoo!Mail は広く使われたため他の多くのサービスにログインできますが、2021年の最近は Yahoo! を除外するケースが増えています。
Zoho Mail は、Yahoo! アカウントを OpenID としてログイン可能です。
Dropbox はYahoo メールにリンクできなくなりました。
連携はともかく、Yahoo! アカウントは無効になる確率が比較的大きく、OpenID として使うほど信用できない。使うならメールアドレスやモバイルナンバーで保険を掛けておきたい。
Tumblrは Yahoo! のブログサービスではあるが別途アカウントが必要。画像共有サービスのFlickrは 現在 Yahoo! アカウントで利用しているユーザー以外は新規登録が必要。
Flickr は、Google アカウントや Yahoo! JAPAN ID で利用できた時期があり情報が交錯しています。2021年にログインできるのは Flickr アカウントか、すでに紐付けられている Yahoo! アカウント のみです。
Flickr開始時に Yahoo! メールアドレスがデフォルトで公開状態になっています。Your privacy settingsから、Email address をNobodyにすると非公開にできます。
もう一つ、Screen name を設定しないとメールアドレスが流用され、プロフィールページに表示されます。Change your screen nameより設定できます。変更は 5回まで。
アカウントのキャンセル
メール画面からは、Account info の Terminating your Yahoo account.
アカウントが削除されると、データは関連付けの解除だけでなく全て削除されます。